英語支配論
2002年1月5日付 朝日新聞 私の視点より
内閣総理大臣
小泉純一郎様
明けましておめでとうございます。今年も昨年同様獅子奮迅のご活躍をなされることを期待致します。
さて、新年早々ですが、日米コミュニケーションについて一つ提案します。それは「日米言語協定」の締結というものです。現在、英語の国際的地位により、白本語は英語と対等な地位になく、日米コミュニケーションは「英語支配」です。
言語の不平等は、両国の不平等な関係につながっており、「対等なパートナーシップ」の障害になっています。「英語支配」では日本の考えは十分に伝わりませんし、母語を使う「言語権」も奪われています。
また、日本国民が熱心に英語を学んでいるのとは対照的に、アメリカ政府・国民は英語の上にあぐらをかいて、「日本語が障壁だ」とさえいうほど傲慢です。
これでは、相互理解は不可能です。 この「言語の不平等」を是正すべく、「日米言語協定」をアメリカに提案し、両語の平等の確立を目指していただきたい。両語の地位の平等、平等な使用、相互学習が協定の根幹です。
「言語の平等」は国家相互理解の基盤ですので、まず日米間に「言語の平等」を確立すれば、それは公平な国際コミュニケーションのモデルに、また「言語権」の確立につながります。
現在、世界には、先住民族や消滅に瀕する言語を守るべく「多言語・多文化の平等と共生」を求める声が高まっており、アメリカもこの要求を無視することは出来ないはずです。「日米言語協定」は日本のアメリカへの従属意識やコンプレックスの軽減にも役立つはずです。「英語が出来なければ」という「英語信仰」から、英語は充満しており、日本人の精神の植民地化は悪化の一途をたどっています。政府は「英語公用語論」や「公立小学校での英会話教育」を打ち出していますが、これによりアメリカからの精神的自立が達せられるとお考えでしょか?
総理は厚相時代、福祉関連のことばに英語が多いことにクレームをつけたほどに、言語には敏感とお見受けします。対等な日米関係と、公平な国際コミュニケーションへの足掛かりとして「日米言語協定」を緊急に構想し、アメリカに、そして世界に向けて発信していただければ幸いです。

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